研究・イノベーション学会プロデュース研究分科会(PSRI)活動報告

研究・イノベーション学会プロデュース研究分科会(PSRI)の活動記事です。

鶴岡イノベーションヴィレッジ訪問、ベンチャー企業との論議&温泉宿泊ツアー 開催報告

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▲集合写真

 

2019年12月21日〜22日、我々NPO法人ZESDAは研究・イノベーション学会プロデュース研究分科会と共に「鶴岡イノベーションヴィレッジ訪問、ベンチャー企業との論議&温泉宿泊ツアー」を開催いたしました。

 

今回の記事は去年開催されたツアー同様に、事務局スタッフの永渕(立教大学3年生)が担当させていただきます。去年の鶴岡のツアーにも参加し記事を書かせてもらった身として、自分なりに考えたこと・感じたことなどを書かせていただければなと思います。

 

昨年の記事

http://zesda.hatenablog.com/entry/2018/12/25/095608

 

今回のツアーには、評論家の宇野常寛氏・音喜多駿参議院議員・伊藤正実群馬大教授(前産学連携学会長)三宅秀道専修大准教授(主著に「新しい市場のつくり方」)などなど各界で活躍する豪華メンバーが総勢40名参加しました。最先端テクノロジーベンチャーが集積し、地方創生の成功例として注目を集めている鶴岡にて、知的産業による地方活性化に関してツアー参加者全員で考える企画となりました。

 

<第一部> 冨田所長講演及び質疑応答並びに施設見学

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▲講演する冨田勝慶應義塾大学生命先端科学研究所長

 

12月21日13時30分、会場に参加者が集合し、ツアーは冨田所長の「脱優等生」をテーマにした講演で幕をあけました。

 

「異端妄説の譏(そしり)を恐ることなく、勇を振て我思う所の説を吐くべし」。福沢諭吉著『文明論の概略』の一節に、冨田所長は現在の日本社会に圧倒的に足りていない「脱優等生」の姿を見ます。過ちを犯さないように振る舞い、周囲から褒められるための努力を重ねる優等生。「脱優等生」とは彼らとは反対に、「人とは違うことをする人」。自らの興味関心に突き進み、世の中の進歩を促していく人材であると冨田所長は説明します。

 

受験を経由した優等生を育成するための教育ではなく、ブレイクスルーを起こすことのできる「脱優等生」をいかに育成するか。冨田所長がこれまで辿ってこられた軌跡が語られました。

 

冨田所長の講演のあと、参加者一同は、代謝物の解析をはじめとした先端的な基礎研究を支えるメタボローム解析器が多数整備された研究ラボの見学へと赴きました。

 

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▲メタボローム解析器の解説をおこなう冨田所長(於:慶應義塾大学先端生命研究所バイオラボ棟)

 

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▲施設案内をする冨田所長

 

冨田所長いわく、細胞内にある数百種類の代謝物を一斉解析できる高性能なメタボローム解析器がここまで集まっているのは世界中でも鶴岡だけであるそうです。世界最先端の技術を他国の研究機関を圧倒するスケールで保持することによって、他の研究機関に競争ではなく共同研究を提案させる効果もあるとか。「イノベーションに必要なものは、選択と集中と少しのハッタリ」と笑いながら話す冨田所長の姿はとても印象的でした。

 

<第二部:バイオベンチャーによるプレゼンと論議>

 

施設見学終了後は、第二部:<第二部:バイオベンチャーによるプレゼンと論議>です。

まず同研究所出身であるメタジェンCOOの村上慎之介氏、spiber代表の関山和秀氏。そして今回のツアー参加者でもあるdategatewayCEDの向縄嘉律哉氏による講演が行われました。

 

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▲メタジェン村上氏

 

メタジェンの村上氏からは、人々が個々に持つ腸内細菌の多様性に着目した将来の健康の在り方について話していただきました。社会システムレベルで腸内細菌が管理され、人間が自身の身体の変化に鋭敏に反応し健康を管理することできる未来を予感させる内容で非常に興味深かったです。

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▲bitgrid/dategateway向縄氏

 

bitgrid/dategatewayの向縄氏にはデータサイエンスに関しての講演をしていただきました。グローバル規模でデータドリブンを展開し、世界中にデータサイエンスコミュニティを形成するという壮大なテーマでの講演でたいへん熱がこもった内容でした。

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▲spiber関山社長

  

spiberの関山氏からは、去年の講演から1年を経て、クモの糸の実用生産に関するspiberの事業展開の成果や今後の展望に関して話していただきました。クモの糸の原材料であるタンパク質の天文学的な結合パターンに秘められた可能性、アパレルと車産業におけるこれからのspiberの展開などについての内容で、去年よりもかなり具体的な内容に話が踏み込まれており、spiberに大きな転進があったことがわかる内容でした。

 

<第三部:ディスカッション>

 

講演会の最後に冨田所長・関山氏・村上氏とプロデュース研究分科会、伊藤正実教授とのパネルディスカッションが行われました。

 

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▲パネルディスカッションの様子(右から伊藤正実教授・冨田勝所長・メタジェン村上慎之介COO・spiber関山和秀社長)

 

ディスカッションは伊藤正実教授の進行により、緊張感のあふれる刺激的な内容となりました。冨田所長が生命科学に関心を持った理由・先生が見出しているデータドリブンとバイオロジーの将来の可能性・大学ベンチャーの現状・慶應大先端生命科学研究所という革新的なアイデアが生み出される空間をデザインするうえでの工夫、などなど広範なテーマに関して話をしていただきました。

 

パネルディスカッションで個人的に印象に残ったのは、冨田所長の学生に対してのスタンスです。先生は生徒の研究計画に対し「理論的に無理だと思ったら、それは難しいと必ず言うようにしています。一方で、普通は無理だと思うようなことでも、理論的に出来るかもしれないならば、止めないようにしています。アメリカがやってできないのならばできないだろうと言って止めるのはすごく恰好が悪いと思っています。」とのことでした。

 

実際、もし冨田所長が、関山氏の研究に対して「クモの糸の実用生産は、NASAや米軍が莫大な予算を投じてもできなかったのだから、一学生には無理だろう。」と言って、彼のチャレンジを止めさせていたならば、現在のspiberの躍進もなかったわけです。

 

放任するわけでも、規則でがんじがらめにするのでもない。あくまでも生徒の興味関心を伸ばし、彼ら彼女らが自らのやりたいことに全力で取り組むことができる環境を提供する。これこそが冨田所長の教育スタンスであり、我々ZESDAが推進する理想のプロデューサーシップを実現されている方なのだなと改めて感じました。

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▲参加者が宿泊したスイデンテラス

 

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▲懇親会の様子

 

三部構成の長い日程をすべて終えて、ツアー参加者はスイデンホテルにチェックインし、19時半からの懇親会に臨みました。懇親会は参加者と冨田所長・西山氏・関山氏もお迎えしながら、地方と東京における教育の意義・地方創生の今後のあるべき方針など、侃々諤々と論じ合う濃密な交流会となりました。

 

実は、今回のツアー参加者は、ZESDA代表の桜庭氏など主催団体の一部とは知り合いではあっても、他のほとんどの参加者とは初対面という状態だったこともあり、ZESDAの”introduce”(補完し合える人材と人材を繋げること)が見事に功を奏し、新しい出会いから各々のコネやチエを拡張する結果へと繋がっていました。このツアーでの出会いから新しいビジネスや取り組みがいくつも生まれていきそうです。

 

懇親会の熱は一次会では冷めやらず、深夜までロビーで二次会を行っている参加者の方々も大勢いらっしゃいました。各自が各自の問題点を持ち寄り、白熱した議論を続けていました。

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▲二次会の様子

 

二次会では、当法人の代表である桜庭氏が冨田所長に「徳」について尋ねていたことが印象的でした。歴史的に、人を集め、改革を起こし、大きな事業を成し遂げる人には総じて「徳」というものが備わっていると言われますが、「徳」に対して、冨田所長は「私事の範囲を超えた部分で、どれだけ社会全体のことを考えて労力をかけることができている質と量、すなわち、その人の活動全体から私事を除いた部分のうち公事と重なっている部分の大きさである」と述べていました。「私」の部分で自分の活動をしているだけでは、それは「徳」であるとは言うことが出来ず、社会全体に対して自らがどれだけのコストを払い、貢献することができるのかに、その人の「徳」の総量が決まってくる。一日を通じて講演・パネルディスカッションで、冨田所長の言葉を聞いてきた中で、それらの話が「徳」の話に結実するように感じました。

 

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▲深夜まで懇談する冨田所長と参加者。三次会?は右からspiber関山氏・東京工業大学 古谷氏・私

 

私自身も深夜(というか明け方)まで残らせていただいて、東京工業大学特別研究員の古谷紳太郎氏とspiber代表の関山和秀氏のお二人から、社会で生きていく上でのチエを浴びるように話してもらうというとてつもなく貴重な体験をさせていただきました。

 

まとめ

 

さて、今回のツアーを通じて、参加者一同が向き合ったテーマは「人材育成」であったように思います。地方であろうと、良質な人材を集めることが出来れば、イノベーションを起こすことは可能ですし、地方からグローバルに経済活動を行うことも可能だと思われます。

 

そのような状況を生み出すためには、良質な人材をいかに「育てる」のかが重要なテーマとなります。人材を本当の意味において「育てる」ためにはチエを与え、コネを紹介し、カネを獲得する方法を本人自身に考えさせること、そして成功するまで「とことん」付き合う姿勢が必要です。この姿勢こそが冨田所長の教育理念の根幹にあるように感じました。今回のツアーを通じ、鶴岡が、世界と直接戦える地方の研究施設の数少ない事例となった理由を垣間見ることができたように思えます。

 

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▲スイデンテラスから臨む鶴岡イノベーションヴィレッジの朝の光景

 

熱気のこもった一夜が明け、私は他の参加者の方々よりも一足先に帰宅することとなりました。朝6時ごろ、スイデンテラスから少し離れたバス停から周囲の景色を眺め、あらためて鶴岡の美しさを感じました。静謐でありながらも、新しい何かが立ち上がってくるようなエネルギーの立ち込める、そんな早朝の光景。今年のツアーを総括するにふさわしい景色を背後に、私は鶴岡を後にしました。

 

あらためまして、今回のイベントを提案してくださった冨田所長、慶應大先端生命科学研究所の皆様、貴重な機会を提供していただき、誠に感謝申し上げます。

 

今後もNPO法人ZESDAは、さまざまなプロデュース活動やイベントを行ってまいります。これからも益々のご支援・ご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。(了)

第14回プロデュース研究講座「現役メディアプロデュースの在り方」〜希薄化が進む人間の共同社会における「あいだの知」とFace to Faceの重要性〜

 2019年6月6日(木)、政策研究大学院大学4Fにて第14回プロデュース研究講座「現役メディアプロデュースの在り方」を開催しました。

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 今回は、大阪の扇町で企業とクリエイターの「顔が見える」関係づくりを通じたイノベーティブなコミュニティづくりを進めている堂野氏と、切れ切れになっている共同社会の「あいだ」に立って対話と恊働をを促進する「インターミディエーター」としてご活躍されている田子氏に、現代におけるプロデュースの在り方についてご講演頂きました。

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▲堂野氏(クリエイティブワークセンター大阪 メビック扇町 所長)による大阪・メビック扇町の説明

 

 まず堂野氏からコミュニティを形成し、人と人とのつながりを創るコミュニティプロデューサーについての講演を頂きました。

 

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▲田子氏(COSMOPIA社長)による女性の起業・社会進出についてのお話

 続いて、田子氏ご自身の起業・社会進出の軌跡、物語に見立てたワークステージなどについてのお話を頂きました。

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 デザイナーという特殊な人々と対話を続け企業とのマッチングを行う堂野氏と、男女雇用機会均等法制定以前の時代に女性起業の第一人者となった田子氏の講演は非常に新鮮で新たな視点を生み出すものでした。

場所 政策研究大学2階

 

 

 

 

 

第13回プロデュース研究講座「現役メディアプロデューサー×プロデュース研究者の対談」

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2019年1月19日(金)、NHK放送博物館メディアラボ4Fにて第13回プロデュース研究講座「現役メディアプロデューサー×プロデュース研究者の対談」を開催しました。

 

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今回は、1956年に世界最初の放送ミュージアムとして誕生したNHK放送博物館を会場としてNHKエグゼクティブプロデューサーの小堺正記氏と現川口短期大学准教授の山本重人氏にからそれぞれご講演を戴いた後、対談を行っていただきました。

 

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▲小川所長によるNHK放送放送博物館の解説


冒頭、会場を提供いただいたNHK放送博物館より、小川所長から博物館の歴史や展示内容などについてご解説がありました。

 

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▲小堺正記氏(NHKエグゼクティブプロデューサー)

 

続いて、小堺氏から、いかにして若いディレクターをコーチングによって導いていくか、実体験の中に見えてくる普遍化された法則・論理についてのご講演をいただきました。

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▲山本重人氏(現川口短期大学准教授)

 

また、山本氏からはコンテンツ業界におけるプロデュ―サーの業務に関する一般論や様々な作品におけるケース別分類。「製作」(商品を作る)能力と、「制作」(作品を作る)能力の住み分けについてご講演をいただきました。

 

プロデューサーに関する小堺氏の実践的で具体的な経験談と、山本氏による俯瞰的な目線からアカデミックに整理された講演は、お互いの内容が補完されており、非常に刺激的な内容となりました。

 

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▲質疑応答

 

お二人の講演後は、桜庭主査のモデレートにより、コンテンツ業界におけるプロデューサー・システムの研究の過程で数多くのプロデュ―サーとの対談を重ねてきた経験をお持ちの山本氏と小堺氏の議論が行われ、さらに来場された聴講者の方々を交えた活発な質疑応答や議論が行われました。

 

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会場:NHK放送博物館メディアラボ4F

「鶴岡イノベーションヴィレッジ訪問ツアー」 

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2018年12月14~15日、我々NPO法人ZESDAは、研究・イノベーション学会プロデューサー研究分科会にて、「鶴岡イノベーションヴィレッジ訪問ツアー」を開催いたしました。

今回の記事は、事務局スタッフの永渕が担当させていただきます。今回のツアーにはコンサルタントや大学教員やURA、ビジネスマンなど社会人を中心に約30人が参加ししました。私は参加者の中で最年少(大学2年生)でもあり、初めは非常に緊張していたのですが、未熟な学生の私にも非常に実りある濃密な体験ができたツアーとなりましたので、その概要を紹介させていただこうと思います。

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▲講演する冨田勝教授・慶應義塾大学先端生命科学研究所長

参加者の到着後すぐに、慶應義塾大学先端生命科学研究所の所長である冨田勝教授による講演が行われました。昨今、同研究所は「イノベーションの揺りかご」とも呼ばれており、研究・教育の枠組みを越え、大学をハブとし、世界を見据えた地方創生を展開しています。設立時から現在まで所長として務められている冨田教授の講演は非常に刺激的でした。

まず、先生は、「地方をいかに活性化させるのか」という、問いの立て方自体に東京からの上から目線があると指摘し、東京至上主義的な意識の改革が必要だと訴えます。そうした意識を「地方の方が東京よりも優れている」というマインドにまで変えていかなければ、地方創生はそもそもはじまらない。「東京から離れた鶴岡にわざわざやってきてまで何かをなそうと思うような人にこそ、イノベーションを生み出す可能性が秘められている」という教授からの言葉には、東京都心に閉じこもった生活を送っていると気づきにくい地方創生への大きなヒントが隠されているように感じました。

その後も、「花よりも、根を養え」という鶴岡の伝統的な教えに基づいた中長期的な視座に立った教育。「教科書的人材」を生み出す我が国の教育に対して一石を投じていく冨田流アプローチ。さらには「学ぶ」という行為の本質は一体なのかということについて、などなど、幅広くお話していただきました。 

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▲研究所の誇る分析機器の機能を解説する冨田教授

冨田教授の講演の後は、ツアー参加者の皆様とともに施設の見学をしました。教授の案内のもと、世界最新鋭のメタボローム測定器が50台ほど整備されている、メタボローム研究ラボを見て回りました。わずか30分ほどで細胞内にある数百種類の代謝物を一斉解析できる世界でも指折りの性能をもっているとのこと。50台が目の前にずらりと並んでいる様はまさに圧巻でした。

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▲メタボローム研究ラボ

施設の見学後は、同研究所出身で、世界で初めて人工クモ糸繊維の量産化技術を確立したことで知られるspiber代表の関山和秀氏と、人の便から腸内細菌の遺伝子情報を分析するメタジェンのCOOの村上慎之介氏からご講演をいただきました。

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▲spiber関山氏

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▲メタジェン村上氏

関山氏からは、クモの糸の原材料であるタンパク質という素材それ自体が持つイノベーションの可能性、そして世界でもトップクラスの業績を誇るspiderの企業としての今後の展望などを、また、村上氏からは、腸内フローラ、すなわち腸内環境の多様性に注目し、個人個人に層別化された食品摂取をいかに社会実装するかのビジョンについてお話しいただきました。質疑応答では、お二人に向けて専門的かつ積極的な質問が飛び交い、会場は熱気に包まれました。

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▲懇親会の模様

そして、夜の懇親会でも熱気は冷めやらず、研究所併設の宿泊所「スイデンテラス」にて美味しい料理や地元のお酒をいただきながら、冨田教授と参加者の間で議論・情報交換が夜中まで活発に行われました。

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▲「スイデンテラス」の外観

ちなみに、今回私たちが宿泊したホテル「スイデンテラス」は、建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞を受賞した建築家・坂茂氏の設計によるものでした。水田の真ん中に浮かぶような外観が特徴的です。また、宿泊客がくつろぐことができるように部屋やロビーは広々とした空間設計がなされており、リラックスした状態で参加者同士、議論・コミュニケーションをすることができました。私自身も、知見などほとんど持ち合わせていない学生の身分ですが、社会で既に活躍されている皆様からジャンルを超えた様々な話を聞くことができ、多くのことを学ばせていただける機会となりました。

特に、講演で冨田教授からうかがった「鶴岡という東京から距離の離れた場所に積極的に訪れる気概のある人こそが、イノベーションを起こす」「東京の中から飛び出さずに内側に閉じこもっている人々からは、カネ・コネ・チエの循環は生まれない。」これらの言葉はずしりと胸に響きました。もしも、地方を、観光旅行などで消費する対象としてしか理解できていないならば、私たちの精神は、知らず知らずのうちに、東京に引きこもってしまっているということなのかもしれないと思いました。

また、当分科会が研究する産業の「プロデュース(「カネ」「コネ」「チエ」をイノベーターにバランスよく注ぐことを通じて、価値が増大していくエコシステムを創造すること)」に引き付けてこの鶴岡の研究所の挑戦を解釈するならば、まず冨田教授が中心となって最高の分析器を中心とした「チエ」をドライブさせることで「カネ」と「コネ」を世界中から集めている。そして、さらに海外から優秀な研究者たちを集め、革新的なアイデアが生み出される現場を活性化させ、そこからベンチャー企業などイノベーションを連鎖的に巻き起こす。ということなのかなと思われました。

さらに、冨田教授は志ある学生たちを積極的に援助することで、新規価値創出を促し、その結果、海外からも高い志を持った一流の学生たちが研究室に集まり、さらなるイノベーションが生まれる構造を作り上げているのです。

鶴岡イノベーションヴィレッジは、「チエ」のドライブによって新規産業を創出し、工場を建てることで鶴岡に新たな雇用を生み出すという最高のグローカリゼーションの実例であり、若い挑戦者に惜しみなく「カネ」・「コネ」・「チエ」を注いで価値創出を助ける冨田教授はまさしく「プロデューサーシップ®」の体現者であると思われました。

それから、今回のツアーを通じて、時間を自分のためにのみ使うのではなく、世の中を少しでもよくするために使おうとする人々が集まりはじめて、革新的な発見や活動が行われるのだな、と強く感じました。誰もが、自分のためだけではなく、新たな価値を生み出すための議論を行おうと熱意を持ち、そうした人たちが「覚悟」をもって集まることでイノベーションが生まれる。今回のツアーでは、その循環を上手く回すために必要な要素を発見できたように思います。「イノベーションの揺りかご」を深く体感させていただきました。

最後に、あらためて、今回のイベントを主催してくださった冨田教授、そして鶴岡バイオサイエンスパークの皆様、貴重な機会を提供していただき、誠に感謝申し上げます。

これからもプロデュース研究分科会は、NPO法人ZESDAとともに、さまざまなイベント・活動を行ってまいります。さらに、今後また、このようなツアーが企画される予定ですので、その際はまた多くの方々にご参加いただければなと思っております。

今後も益々のご支援・ご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

研究・イノベーション学会 第33回年次学術大会 プロデュース研究分科会主催特別セッション 「多様性のコスパを上げるプロデューサーシップ」

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研究・イノベーション学会 第33回年次学術大会 プロデュース研究分科会主催特別セッション 「多様性のコスパを上げるプロデューサーシップ」 2018年10月28日(東京都) - こくちーずプロ(告知'sプロ)

 

 ご挨拶

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 久野 美和子 (当分科会共同主査/電気通信大学産学官連携センター客員教授 他)

 ・エコシステムの醸成に努める

 

 

 

 パネリスト

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 伊藤 朋子 氏(NPO法人かながわ311ネットワーク代表理事)

 ・災害支援活動を通し、多様な関係者を繋ぐ敏腕プロデューサー

 

 

 

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 太田 智美 氏(株式会社メルカリR4Dプロデューサー)

 ・Pepperを自費購入し、ロボットとの共生について研究

 ・複数の職を跨ぐことで、多様な視点を獲得 

 

 

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 若松 悠夏 氏(株式会社STORY コミュニケーション・デザイナー/3×3Lab Future ネットワークコーディネーター)

 ・人と人、情報を繋ぐ、橋渡しのプロ

 

 

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 名倉 勝 氏(経営共創基盤 アソシエイトマネージャー)

 ・MITに学ぶイノベーションエコシステム  

 

 

 

 モデレータ

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 桜庭 大輔 氏(当分科会共同主査/NPO法人ZESDA代表/官庁勤務)

 ・プロシューサーシップ®を提唱し、深く研究・実践する

 

 

 

 

2018年10月28日(日) 研究・イノベーション学会第33回年次学術大会にて

“プロデュース研究分科会主催特別セッション”を開催しました。
ビジネスパーソンをはじめ、地方議員、公務員、大学教授等30名以上の参加がございました。


今回は、「多様性のコスパを上げるプロデューサーシップ」という内容で、パネリストが活躍されてきたフィールドで得た貴重な声を聴くことができました。

  

質疑応答の際にも、本質を突く意見があり、“プロデューサーシップ”への関心の高さを改めて認識致しました。

会場:東京大学 本郷キャンパス

 

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第10回 プロデュース研究講座 「『のら猫くろっち』のプロデューサーが語る!「クリエイティブ人財創出メソッド」

 

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講師

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▲眞坂海生氏(日本ベンジャミン人間性英才学校 1期生)

 

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▲筒井一郎氏(株式会社 ヌールエ研究所 代表取締役社長)

 

 2018年7月13日(金) 政策研究大学院大学にて第10回 プロデュース研究講座「『のら猫くろっち』のプロデューサーが語る!「クリエイティブ人財創出メソッド」を開催しました。

今回は、日本ベンジャミン人間性英才学校 1期生 眞坂海生先生と、株式会社 ヌールエ代表取締役の筒井一郎先生をお招きし、「社会を豊かにする商品やサービス、仕組み」の発明を促すアイデアの可視化、すなわちデザイン能力の鍛え方についてご講演していただきました。

 

会場:政策研究大学院大学

 

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シンポジウム「イノベーションに資するICTとプロデューサーシップによる地方創生・地域の課題解決」

 

「イノベーションに資するICTとプロデューサーシップによる地方創生・地域の課題解決」
基調講演:東北大学名誉教授 原山優子氏
基調講演:総務省情報流通行政局長 山田真貴子氏

パネルディスカッション
NPO法人ZESDA カレッジ部門長 清水章代氏
社会的養護退所後ガイドブック作成委員会ゆでたまご代表 阿部 華奈絵氏
国際医療福祉大学大学院 教授 石井美恵子氏
株式会社コスモピア代表取締役 田子みどり氏
横浜コミュニティデザイン・ラボ理事 宮島 真希子 氏

特別対談「2020東京オリパラに向けたプロデューサーとは」
1998長野冬季五輪IOCリエゾン 麻生菜穂美氏 
NPO法人STAND代表理事 伊藤数子氏

 

 

5月12日、学会・NPO・業界団体・総務省等の産官学民連携シンポジウムが、お茶の水女子大学にて開催されました。

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「ICTとプロデューサーシップ」シリーズの第2弾になりますが今回のパネリストの皆さんは何と全員、女性です!

第1弾開催時、参加者の方々から沢山の要望があり、今回、様々な分野の第一線で活躍されている「日本屈指」の10人の敏腕女性プロデューサーに集まって頂き、お話を伺うことになりました。

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まず、主催団体である研究・イノベーション学会プロデュース研究分科会主査の久野美和子氏より、開会の挨拶がありました。

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「今回のシンポジウムの特徴は、主に3つあります。

①女性
②プロデューサー
③ネットワーク型の横の連携

まず1つ目は、登壇者に女性を集めた事です。新しい事、すなわちイノベーションを起こすのは一般的に(単に年齢という意味だけではなく、気持ちが若い)若者、そして女性が多いので、今回は『女性』にスポットを当てました。女性にはヒエラルキーを好まなかったり、従来のしきたりにとらわれないなど、イノベーションを起こすのに重要な特徴を持っています。
2つ目は、プロデューサーとは何かを、ここで皆さんと考える事です。日本は研究成果や新しいイノベーションに対して商品化したり、事業化する等といった価値づけが弱いと考えています。ヒト・モノ・カネを組み合わせて皆で作る事を企画できる、真のプロデューサーは日本ではあまり育っていないというのが現実です。
3つ目は、今回のパンフレットを見ると分かる通り、沢山の主催・共催・後援が並んでいます。これは、単一組織・モノカルチャーによるイノベーションが困難になってきており、誰かが一つの事をやるためには、沢山の人の助けが必要であること、つまりネットワーク型の横の連携が重要な、複合型の社会になってきているということの表れでもあります。
今回のシンポジウムをきっかけに、是非皆さんも次の活動につなげていってください。」

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次に、共同開催ならびに今回のシンポジウムの会場を提供していただいたお茶の水女子大学理事・副学長の森田育男氏からのご挨拶です。

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「私は、昨年まで東京医科歯科大学におりまして、現在と同様研究と産学連携の担当理事を8年間勤めていました。こちらに来てからも、組織対組織の産学連携を推進している段階で、医学系の産学連携ネットワークも作ったりもしています。そこで感じたことは、大学においては先生方の意識改革が必要であり、産学連携推進に関してはプロデューサーが必要であることです。しかし意識改革や人材育成は一朝一夕でできるわけではありません。
そんな中、今回のシンポジウムは非常に縁が深いものと思っています。登壇者が全員女性ということも、本学にとってはとても重要です。というのも実は10月から新たな寄付連携講座として、女性活躍推進連携講座を新たに立ち上げる準備を進めているからです。異なる30業種30企業の方が作る寄付連携講座で、大学の学生を巻き込んだ形で将来のダイバーシティ実現の為に何が必要か、参加企業ともに考え実践していく講座です。女性の活躍なしでは日本社会の発展がないことは間違いなく、本学が果たす役割も大きいと考えます。

本日は長時間になりますが、超一流の女性プロデューサーの方々に集まって頂いておりますので、ご参加いただいた方にも十分満足していただける内容になると思っています。
素晴らしいシンポジウムになります事を祈念し、開会の挨拶とさせていただきます。」

プログラムは、第1部が基調講演、第2部は女性プロデューサーの方々の講演と、パネルディスカッション、第3部は特別対談の3部構成となっています。

 

【第1部】

~ICTとプロデューサーシップによる地方創生・地域の課題解決について~

最初の基調講演は、前総合科学技術・イノベーション会議委員の原山優子氏です。
society5.0の作成に携われたご経験等を踏まえて、リーダーに要求される能力について、ご自身のお考えをお話し頂きました。

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原山さんは、今の時代は「かなり早いスピードで社会変革が起きていて、どうしたら良いか考えている間に次の事が起きてしまう程、変化の激しい時代になっている」と指摘しました。

「だから、どういう社会を私たちが目指しているのか、そのために何をしたら良いのか、スピード感を持って考えなくてなりません。その際に必要とされるのが、アイデアを持つイノベーターですが、色んな人やアイデアを溶け込ませる事が出来るプロデューサーの力も必要です。一人で両方できるという人もいますが、協働という発想もあります。
また、皆さんにも考えていただきたいのが、私たちは『二分法の呪縛』から解放される必要があることです。先進国と開発国といったように、私たちは文脈を分かりやすくするために『二分法』を良く使います。しかしこの方法だと、私はどっちかなというポジショニングに囚われてしまい、そこで発想が止まってしまうのです。それに囚われない発想が、これから時代、なにかを仕掛けていくためには必要なのです。
もう一つ、リーダーシップの話をしたいと思います。誰がリーダーシップを取るのかですが、最初に思い浮かぶのは社会的地位のある人、組織の長だと思います。しかし、それだけではなくて、外から見て、あ、この人だなと分かる人、つまり社会的な認知も、今後は鍵になってくると思います。必ずしも組織がないと取れないわけではありません。
そして、リーダーシップの取り方ですが、枠を超えてリーダーシップを発揮できるリーダーが求められています。これからの時代のリーダーに求められる能力は、相手の意見を聞き趣旨をくみ取ることが出来る能力、そして、既存の枠に囚われることなく、発信力があって、色んな人を巻き込んでいける能力が必要になります。そういった人材を育てるためには、今までの大学や企業の場での教育では立ち行かなくなってきています。教育のあり方についても、再考する事が重要になってきています。」

 

~ICTによる地域貢献施策~
次の基調講演は、総務省 情報流通行政局長の山田真貴子氏です。
ICTは、地域にどのような貢献をもたらすのか。地域のICTによる課題解決事例を通じ、ICTを活用して地域が抱える課題をどのように解決に導いたのか、そして、ICTが描く可能性についてお話し頂きました。

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「日本ではゆっくりと人口減少、そして生活水準の低下が進行していて、特に地方においてこの問題は深刻になっています。この『静かなる有事』に備えるために、私達はICTを徹底的に活用し、ポジティブに社会に変えていく必要があります。
ICTにより地域課題が解決出来た例は沢山あって、例えばさいたま市では、保育園入所選考業務にAIを活用した結果、今まで延べ1000時間かかった作業が数秒で実現しています。 また、自治体が花火大会などのイベントを開催する際に、一時的に駐車場が不足してしまう問題があったのですが、地元住民や地元企業が持っている遊休地を有効活用して、駐車場シェアリングサービスを導入した結果、駐車場不足が解消し、渋滞や不正駐車の軽減にもつながりました。
自治体にはICT知見を持つ人材が不足していたり、情報が十分にないケースも多いため、総務省では、地方公共団体等からの求めに応じて、ICTの知見等を有する『地域情報アドバイザー』を派遣し、助言を行っています。アドバイザーはまさにプロデューサーであり、求められる能力は、やりたいことを魅力的な言葉で表現できる力、スケジュール管理能力、シンポジウム開催したりする等の仕掛けづくりが出来る能力、そして最後に何より、信念を持っている事です。」


【第2部】

第2部では、「地域の課題解決とプロデューサーシップ」をテーマに女性プロデューサーの皆さんの話を伺いました。

第2部のトップバッターは、本日の司会進行役を務めている、清水章代氏です。

NPO法人ZESDA・プロデュース研究分科会の活動について~
NPO法人ZESDAの清水さんは約5年間に渡りZESDAで活動しており、現在はカレッジ部門長を務めています。彼女自身が女性プロデューサーとして様々な活動に携わってきたことから、今回、登壇者として参加することになりました。

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「一般的に良く知られている『プロデューサー』は、エンターテイメント業界にいる、タレントさんや裏舞台の技術系の人たちを集めて、新しい事を創り上げる人を指しています。しかし今、イノベーションが起きているビジネスの世界においても、多様な人やアイデアを繋ぎ合わせて、新しい価値を生み上げる事が出来る『プロデューサー』が求められています。
NPO法人ZESDAは『プロデューサーシップ®』により、日本発のイノベーションをおこすことを理念に掲げています。職場や学校などの本業ではなく、家庭や友人などのプライベートでもない『第三の場所(サードプレイス)』が今熱く、ZESDAでも様々な動機から参加したスタッフが100名ほど在籍しています。そして、ZESDAは冒頭で申し上げた『プロデューサー』を育成する場でもあります。
ZESDAでは様々な活動を行っていますが、例えば、昨年から今年にかけ、ある女性起業家の支援を行いました。具体的にはアジアのプロのデザイナーと学生デザイナーが、日本の織物や生地を使用して、日本をテーマに考えたデザインを披露するSAKURA COLLECTIONというファッションショーの運営をサポートしました。
また、地方創生への取り組みも行っていて、石川県能登地域にある農家民宿群『春蘭の里』の支援を行っています。昨年は2回現地へ赴き視察を行い、今年3月には都立公園を会場にして、交流会イベントも開催しました。
この他、ZESDAと関わりの深いプロデュース研究分科会での活動も行っており、更にこれからは4月に入学した大学院で研究も行う予定です。これらの活動が世の中にどれだけ効果をもたらすのか、また講座参加者の行動変容にどうつながったのか、定期的に調査を行っていきたいと思っております。今後ともご協力、よろしくお願いいたします。」

 

児童養護施設、そして「ゆでたまご」の活動について~
次は、本日の最年少女性プロデューサーである、阿部華奈絵氏です。阿部さんは、高校3年間を児童養護施設で過ごし、ご自身の経験を経て感じた、ある強い信念から有志団体「ゆでたまご」を立ち上げました。

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「普通の家庭で育った子供と児童養護施設で育った子供には大きな違いがあります。それは18歳で自立をしたとき、頼れる親や後ろ盾の存在がいない子供は、社会で一度失敗したら再挑戦が出来ないということです。
実際、親の代わりとなって様々なサポートをしてくれる団体は沢山あります。しかし、多くの施設経験者は、その支援団体の存在をしらないまま社会に出てしまいます。必要な情報が必要な人に届いていない!と感じました。支援団体と施設経験者をつなげる仕組みを作りたい、そのための手段として、『ガイドブックを作って施設経験者に配りたい』と思うようになりました。一人ではできないので、SNS等を使って声を上げた所、予想以上に様々な年齢層、異なる業種の仲間が集まってくれて、有志団体「ゆでたまご」を立ちあげることになりました。主な活動内容ですが、望まれている情報は何か等アンケート調査を行いながらガイドブックを完成させ、各施設を通じて児童に配布しています。予算は、チャリティ活動や講演等を通じて予算をねん出しています。
私の最終的な目標は、『ガイドブックをなくすこと』にあります。ガイドブックを作ろうと考えたのは、人のつながりがなく、情報が入ってこないから。でも、いずれ、それがなくても人とのつながりで、必要な情報が必要な人に届くような社会を目指していきたいと思います。」

 

~前例のない福祉避難所の開設支援の経験~
次は国際医療福祉大学大学院教授の石井美恵子氏です。石井さんは、「災害医療のスペシャリスト」として、東日本大震災で災害支援の現地コーディネーターとして派遣されるなど、様々な経験をお持ちの方です。

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「私は保守的な環境で育ったため、子供の頃から女性は自立しないといけないという思いを持っていました。社会人になって看護師になりましたが、そこでも看護師と医師のヒエラルキーを感じ、悩んだ時期もありました。そんな時、アメリカで災害医療の長期研修に行く話が舞い込んできて、チャンスと感じ、思い切って参加をしました。帰国後イランで地震が発生。手を挙げて現地に向かいました。
イランの他に中国など、その後何か国か海外の災害医療支援に行く機会がありましたが、様々な経験を通じて私自身、上手くいったなと思っているのは経験の再構成、つまり『ストレッチ』『リフレクション』を行って次のミッションにつなげていくことが出来た事です。そうすることで、色んな課題が見えてくるのです。
東日本大震災が起きたときは、教員として日本看護協会に所属していましたが、根回しの結果対策本部の会議に参加でき、そこで周囲の信頼を勝ち取って現地コーディネーターというポジションを得る事が出来ました。豊富な人的資源を、必要な所に優先して配置したい、そんな強い思いがあったためです。
一番大変だった石巻に赴任し、福祉避難所を開設して多職種連携のチームを作りました。
そこでは私は陰に徹し、リーダーを立てながらどうやったら上手くいくかを常に考えて行動しました。
災害対応はいつもゼロからスタートします。後世に遺産を残すための教育とシステムの構築が必要です。そして日本はいつまでたっても避難所=体育館ではなく、むしろ避難所はいらなくて、避難生活の場を作りたいと思っています。そして私の目標は、関連死(これは防ぐことが出来ます)、これをゼロになくす社会を作っていきたいと思っています。」

 

~地域(山口県萩市)の課題解決とプロデューサーシップ~
次の登壇者は株式会社コスモピア代表の田子みどり氏です。田子さんは、男女雇用機会均等法が制定される以前、女子大学生の時に起業され、女性が活躍できる環境を切り拓いてこられました。

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「私は山口県萩市で生まれ育ちましたが、地方都市の宿命として、他の若者と同様に、私も高校卒業後は萩を出て、東京の大学に進学しました。当時はまだ、男女雇用機会均等法の影も形もない時代で、大卒女子の就職は狭き門しか開かれていませんでした。そこで、会社のコネが出来るのではという下心のような思いもあり、ある企画事務所に入門しました。そこに集まっていた女子学生たちと仕事の実践の場として作ったグループが、現株式会社コスモピアの前身です。
会社経営の傍ら結婚、出産、離婚、再婚など人生の荒波をくぐり、しばらく実家に帰省する機会はあまりありませんでした。しかし、高校卒業30年後の同窓会の幹事役がきっかけで、故郷との関わりが再開しました。故郷が廃れているという同級生の話を聞き、何とかしたいという思いが湧いたのです。そんな時、山口県出身のベンチャー企業の社長が集まる会の会長をしている方とお話しする機会がありました。その会は、NPO法人ふるさと山口県経営者フォーラムへと生まれ変わり、私は現在常務理事事務局長を務めています。
私は山口県を中心とした様々な地域活動に関わってきましたが、専門家でもない私が様々な立場を引き受けるのは、自分の能力を超えているのではと悩んだりすることもしばしばです。しかし、最近は、ひとつひとつバラバラに見える活動や立場が、真珠をつないでネックレスを作るように、ゆるやかに繋がりあって意味を成してきているように感じる事があります。
それを繋いでいるのは、35年間会社を経営し、公私において様々な失敗や苦労をしながら集積した経験知とネットワークによるものです。設樂剛事務所の設樂剛先生は、未来社会の中核的存在となりえるのは強いリーダーではなく『インターミディエイター』であると提唱しています。中間にいる人、異なる世界を繋げていくもの、人、という意味です。これから私が目指すべきは、インターミディエイターとして、成果を出していく事だと考えています。」

 

~「ネガティブ・ケイパビリティ」を持つ「介助者」とは~
新聞記者を経て、現在は、NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボで活動を行っている宮島真希子氏は、価値ある地域資源について常にリサーチし、新たなつながりの創出に取り組んでおられます。

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「私は長い間、神奈川新聞社に勤めておりました。その時感じていた事は、新聞社といったメディアは、イベントなど華々しい場しか取り上げず、地域の小さな活動の目やプロセスについては殆ど興味を示さない、または知らないという事でした。そんな折、記事に対する読者からのコメントを受け付け、双方向性のやり取りが出来る、当時画期的な試みでもあったブログ『カナロコ』の編集を担当することになり、地域との繋がりを初めて持つことが出来ました。ブログがきっかけとなって、肩書のない人と知り合い、もっとプロセスそのものに関わりたいという思いが強くなって、『カナロコ』の取材に来てくれたNPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボに興味を持ちました。私は新聞社を辞めて、ローカルなインターネットメディアへの市民参加を促進する活動をしているNPO法人で活動をすることにしました。
私は、プロデューサーとは、新しい事を生み出すときの介助役、産婆のような役割であると考えています。私自身は生み出すわけではありませんが、対話の場を作り、地域の人の背中を押し、自己発見をしてもらう役割を担っています。
また、『ネガティブケイパビリティ』という考え方があります。事実や理由をせっかちに求めずに、不確実さや不思議さ、答えの出ない事態に耐えうる力という意味で、これがプロデューサーには求められると思います。なぜならイノベーションは長丁場で取り組む必要があり、ポジティブなだけではしんどいからです。様々な状況に耐えながら、虎視眈々とチャンスを狙う力が、これからの時代には求められると思うのです。」

 

次は、パネルディスカッションの時間です。第1部の基調講演を行って頂いた原山さんと山田さんにもここで加わって頂きました。


登壇者と会場の参加者の方との間で、いくつか質問と回答が飛び交いましたが、最後に、ある参加者の方から『リーダーシップ』についての質問がありました。

「皆さんの話を伺いながら、皆さんの持っている共通点は何だろうかと考えていました。それで気づいたのはそれぞれが仰るリーダーシップの取り方が面白く、いわゆるビジネス本に書かれているようなやり方とは違う方法だなと。これからの変化のスピードが速い時代では、所謂オトコ的なリーダーシップは不要となり、皆さんのやり方が主流になるのではないかと感じていますが、それについてはどのように考えていますか。」

この問いに対し、登壇者の方各々に、リーダーシップ論を語っていただきました。

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山田さん「昔は登るべき山が決まっていたけど、今はどの山に登るのか、それとも登らないのか、というところから決めないといけない時代です。一方で大災害等ひっ迫した緊急時には、違うリーダーシップが求められます。時代や場面に応じてリーダーシップは変わっていかないといけないと感じています。」

石井さん「私は、他者にとって正しい事をするのがリーダーだと思います。あと、俺がこれをやったんだよねというスタンスは駄目。問題解決が実現できれば良いのであり、そのために自分はどういう役割を演じたらよいか、変幻自在に自分を演じる、セルフコントロールする力も必要と思います。」

宮島さん「事が難しい時にこそ、平和に、クリエイティブにいかないといけません。感情的な対立が起きると、本質的な問題から外れてしまい、必要な議論が出来なくなるからです。」

田子さん「強いリーダーって、重いし楽しくない。会社経営をしていると、この仕事は来年もあるのだろうかとか、本当に先が見えないことが多いので、私は、皆、こっちにいこうよ、というスタンスを取っています。その方が日々楽しく過ごせると思います。」

阿部さんゆでたまごのメンバーは皆私よりも年上で、知識も経験も豊富です。自分には出来ない事も多いから、皆に任せます。任せるようにしています。あとは、とにかく思いを伝えるのがリーダーです。思いを伝えて形にしているのがメンバーです。」

清水さん「本業を持ちボランティアで活動しているスタッフ達を、どのように巻き込んでいくか、という力が求められます。素直に一緒にやろうという、一歩下がれるリーダーが今の活動に必要だと思っています。」

原山さん「これまでのリーダーシップ論は、過去のビジネスケース等を集めてまとめられたものだけど、今この変革スピードの速い時代に、この概念はあてはまらない場合が多いです。そしてインセンティブよりモチベーション。やりたいという気持ちを引き出す力、そして謙虚であることが重要です。」

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この質疑応答を受け、シンポジウムの企画立案を行った、プロデュース研究分科会実行委員長の中原新太郎氏から最後に一言挨拶がありました。

「会場の皆さんが既にお気づきになられている通り、今回のシンポジウムは、様々なバックグラウンドを持ち、様々な分野で活躍されている方に集まっていただいています。多様な人が集まらないとイノベーションは起きません。それを伝えるべく、このような人選をさせていただきました。」

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登壇者の方一人ひとり、ご自身の経験も重ねながら、本当に多種多様なリーダー像を語ってくださいました。

 

【第3部】
第3部は、特別対談です。「2020東京オリンピックパラリンピックに向けたプロデューサー」について、1998年の長野冬季五輪IOCリエゾンを務められた麻生菜穂美氏、NPO法人STAND代表理事の伊藤数子氏より、お話を伺いました。

麻生さんからまず、2020年オリンピックが東京で開催されるに至った経緯を、詳しくお話していただきました。
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「2020年の東京五輪は4回目の招致を経てようやく決まりましたが、他の候補イスタンブールマドリードを破り、なぜ東京に決まったのだと思いますか?
トルコは民族紛争、スペインの経済・政治不安という懸念要素がありました。日本も2011年に東日本大震災がありましたが、その時、きちんと並んで給水車を待ち、食べ物を皆で分け合う日本人の姿の映像が、全世界に放送されました。日本人の礼儀正しさ、優しさが全世界に伝えられたのです。日本での五輪開催は、今度で4回目です。中国ですら2008年北京五輪の1回しか経験していません。こんな小さな島国が、4回も五輪が開催されるのはすごいことなのです。
そして、実は、2020年五輪の開催地が決まるIOC総会では、同時に次期会長も選出されることになっていました。選出されたのはドイツ出身のバッハ会長です。そのため、2020年五輪の開催地は、ヨーロッパ以外の国が選ばれることになりました。これがIOCのバランス感覚なのです。本日のテーマ、プロデューサーシップにも通じてきますが、すべての国と付き合わなくてはならないIOCは、このようなバランス感覚が非常に重要です。さらに、2024年の五輪はパリで行われる事になりましたが、実はこちらは2020年五輪より前から決まっていました。何故ならばちょうど100年前の1924年の五輪はパリで行われており、2024年を100周年として、同じパリでやりたかった。そのため2020年は、パリと同じヨーロッパ圏であるマドリードは候補から落ちてしまったのです。これもバランス感覚ですね。」

そして麻生さんご自身が今、感じている事も話してくださいました。

「私は現在宮城県に住んでいますが、そこで感じていることは文化の力は何物にもまさるということです。子供たちが郷土に誇りを持てないために、地方がどんどん過疎化していってしまうのです。ここには何もないつまらないところ、と大人から擦りこまれてしまっています。自分の国に誇りをもって、そのうえで英語のコミュニケーションが出来て、グローバルな時代に対応できる子供を育てていきたいと思っています。」

次に、伊藤さんより、何故障害を持った方のスポーツに興味を持ち、NPO法人を立ち上げるに至ったのか、お話しいただきました。

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「私が障害者の方のスポーツに興味を持ったのは、知り合いから誘われて、地元の電動サッカーの試合を観にいったのがきっかけです。想像以上に面白くて、応援していた地元のチームもどんどん試合に勝ち進んでいったのですが、その中で私が驚いたことは、全国大会に出場できない選手がいたということです。上の大会には、選手は皆、参加するのが普通だと思っていましたが、障害のある方は症状により、試合に参加できないことがあるのです。そこで試合に行けない選手にも見てもらいたいと思い、IT関係の知り合いの協力を得て、インターネットの生中継をしてもらうことにしました。
ところが当日会場で準備をしていると、ある男性の方が私達に近づいてきて『障害者を晒し者にしてどうするつもりや』と怒鳴られてしまったのです。その時私は動転してしまいました。もしかして自分はとんでもないことをしてしまったのではないかと。
しかし暫くして落ち着いて、『晒し者』という言葉について調べてみると、晒し者とは『人前に出て恥をかかされた人』であると。
絶対におかしいと思いました。何か社会が違っているところがあるのではないか。障害のある人のスポーツをもっとみんなに知ってもらったら、そこの選手が、社会が変わるのではないか。それで、2005年にNPO法人を立ち上げたのです。
主な活動内容は、ウェブサイトで情報発信して、障害のある人がやるスポーツを、障害のある人とない人で一緒に体験する体験会をやったり、2020年パラリンピックのボランティアをやりたい人達から要望があってボランティアアカデミーを立ち上げたりしています。」

また、伊藤さんは2020年パラリンピックに向けての思いも話してくださいました。

「あまり知られていませんが、1964年は東京パラリンピックも開催されました。その時、障害者の自立が課題に残されました。53人の日本人選手団のほとんどが日常的にスポーツをやっていないどころか、施設か病院で暮らしていて、職業を持っている人は3人のみ。病院で短い命が終わるのを待っていたのです。
2020年パラリンピックでは何か遺産を残したい。それは共生社会です。ボランティアアカデミーで勉強している人たちが、この2年の間に色んな知見をため込んでいきます。自治体の持っている推進本部は、2020年度になくなりますが、知見をため込んだ沢山の人たちの力を使い、2020年以降も継続的に社会を動かしていける、そんな仕組みを作っていきたいと思います」

次に対談形式で、お二人に、苦労したことや失敗談、それを踏まえて感じた事などをお話ししていただきました。

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麻生さん:何かを動かすことはとても大変なこと。でも、本気になる人が3人いたら、どんなイベントでも出来ると私は思っています。私は長野五輪の時には、開催する地域とIOCを繋ぐ仕事に携わりましたが、たまたま運よく、事務総長等現場のトップの直轄に配属されました。関わった仕事は、競技運営、文化式典、チケット、マーケティング、報道、広報、システム、等々本当に盛りだくさんで、もちろん失敗も数えきれない程ありました。でも、五輪に関われる人間は世界中でもほんの一握りです。本気でやりたいという熱い思いを持つ人が3人いるかどうかです。そして、こういう場では違う考え、違う環境で育ってきた人が同じことをやる必要があります。調整力が大事です。木だけでなく森も両方見れる人、全体を把握している人が必要です。

伊藤さんNPOを始めて、最初は応援してくれる人がいる、上手くいくと思っていました。ネット中継をやってほしいという話もあったのですが、いざ企画書と見積書を持って説明に行くと先方に、『お金払わないといけないの?』と驚かれてしまいました。NPOは無料でやってくれる人達と周りに思われていたようです。NPO立ち上げて最初の2年間は本当に大変でした。最初私が思っていたことと実際が違っていたこと、ギャップが大きかったです。」

麻生さん:今日は色んな話を聞かせていただきましたが、全ては同じことで、人を繋いでいって未来を共有していくこと。同じ未来を見て、皆がそれぞれの分野で少しずつ変えていく事が大事だと思います。

最後に、会場の参加者の方からの要望もあり、パラリンピックを楽しむコツを伊藤さんに教えていただきました。

伊藤さんパラリンピックの楽しみ方ですが、ポイントは3つあります。1つ目は、パラ競技は、ルールが工夫されています。例えばバスケットボールですが、5人のチームの一人一人に点数を持たせており、動きやすい人だと4~5ポイント、殆ど動けない人は2ポイントといったように点数が割り当てられ、全員で14点以内になるようにチームを作らなくてはなりません。そこに戦略があるのです。そのため、単に背が高い人が優位という一般のバスケットボールより面白いという人もいます。2つ目は、自分が応援できる選手を見つけてほしい。好きな選手が出来れば楽しんで観る事が出来ます。3つ目は、東京を中心に沢山の国内大会が開催されているので、それをまずは観に行ってみてください。パラリンピックまで待たずに、とリあえず何か、観に行ってみることをお勧めします。

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これで、長時間に渡る全てのプログラムが終了しました。
最後に、研究・イノベーション学会プロデュース研究分科会主査、およびNPO法人ZESDA理事長の桜庭大輔氏より、閉会の挨拶がありました。

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「今日は本当に良い話を伺うことが出来ました。プロデューサーは『懸け橋になる』ということ。でもそう言うのは簡単で、現場は死ぬほど難しいという話を今日は聞くことが出来ました。
自分以外の主役がいるときに、その人を立てる事が出来る力。リーダーシップに新しく求められるのは『補完性』です。そして、誰かの間に入るという事は、他者の目線を持ち、相手の事を考える事でもあります。分科会や、今日のシンポジウムを通して改めて感じた事です。本日は登壇者の皆さん、参加者の皆さん、本当にありがとうございました。」

プログラム終了後、登壇者の方々や会場の皆さん、主催団体スタッフ交えて、懇親会を行いました。

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女性プロデューサーの皆さんのパワフルな人柄に圧倒されながら、皆さんの話にぐいぐい引き込まれ、あっという間のひと時でした。

会場の参加者一人一人が、これからの時代に必要なプロデュース力とは何か、そのために自分は何が出来るのか、何がしたいのか、真剣に考えるきっかけ作りが出来たのではないか、と感じています。

そして、今回の重要テーマの一つは「女性」でしたが、いずれは、「女性」「若者」「障害者」といった特定の属性で括って語らなくても良い社会が来れば良いなと感じました。

 

会場:お茶の水女子大学